陸王 池井戸潤 原作 TBS ドラマ化 DVD Blu-ray
購入後の改めての鑑賞が、待ちきれないや。
あの池井戸潤原作のTBS日曜劇場ともなれば、否応なしに気になってしまうものだから....。
ドラマであれ、仕事上の人と人との駆け引きとせめぎ合いや、要所要所そして最終的な成功に至るまでの過程を、存分に堪能できる面で、実社会と重ね合わせるかのような不可思議な体験のような夢見心地が...。
そう、10月半ばより放送の『陸王』は、案の定、良い意味で変わることなく満足できる作品だっただけに...。
ただ、主人公の老舗足袋製造会社「こはぜ屋」4代目社長・宮沢紘一(役所広司)には、失礼ながら、かの『半沢直樹』や『ルーズベルト・ゲーム』のような宿敵を叩きのめすほどの勢いの感じられなかったかなあ。
しかし、その分だけ、誠実さと粘り強さ、あと人間的な温かみでじわじわと周囲の信頼を勝ち取っていく過程が、本当に心地良いや。
「シルクレイ」の考案と特許の取得ながら、倒産を余儀なくされた「飯山産業」元社長・飯山晴之(寺尾聰)とのせめぎ合いと協働ぶりもしかり。 同じ熟練同士ならではの心地良さが...。
私生活では、陰ながらの支えとなる家族の存在感の大きさが...。
紘一の妻・美枝子(檀ふみ)の優しい気遣いはじめ、美枝子ゆずりの優しさとともに年頃ながらの揺れる気持ちも垣間見る愛娘・茜(上白石萌音)も...。
逆に、大学工学部卒業ながらも、就職に失敗して「こはぜ屋」を手伝いながら就職活動中の紘一の息子・大地(山﨑賢人)の揺れる気持ちあっての、斜陽真っ只中のこばせ屋にしがみつく父・紘一への反発には、男ならではの意地のぶつかり合いとともに、痛かったかなあ。
それでも、紘一・大地父子の奮起と起死回生のきっかけとなった、シルクレイをソールの地下足袋「足軽大将」を履かせることになる、ダイワ食品陸上部長距離選手・茂木裕人(竹内涼真)の奮闘ぶり...。
陸上部監督・城戸明宏(音尾琢真)の怒涛の熱血指導ぶりと時折垣間見る選手想いの熱い気持ちとの交錯あって、目が離せなかった。
極めつけは、双方に秘めた熱い想いを宿しながらも、埼玉中央銀行行田支店融資課から転々とする坂本太郎(風間俊介)の孤軍奮闘ぶりと繊細さあっての、意外な展開も...。
いずれにせよ、3月下旬からの発売が、待ちきれないや。
しかも、本放送当時の尺の都合を理由にカットされたシーン収録済みの、ディレクターズカット版...。
平日の始まる月曜日に向けての奮起を促す熱い言葉となれば、かなり多目に凝縮されている予感が...。